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毎日が幸せ食堂 ~シェフにナイショでブログ始めました~

フランス珍道中⑭ それでも・・バスは・・来ない(涙)

【これまでのあらすじ】
ブルターニュの町、ドゥアルヌネの港から帰るバスが来ないことに
顔が青ざめる私とシェフ。

停留所のバス案内やら時刻表やらを見ているうちに、帰りのバスは、
港の停留場からではなく、ここから3キロくら先の、ドゥアルヌネの
市街地にある、旅行案内所前から出ることが発覚。慌てて、港から
市街地まで移動する私たち。

なんとか、14:20発のバスには間に合いそう。そして、
帰りのTGVにもギリギリ間に合いそうだ。一安心の私たち。

・・・なのに、14:30になっても、バスは、来ない・・・


【ここから日記↓】

 再度、よーく予定表アンド時刻表を眺めてみる。考えてみれば、
朝、駅前のバスオフィスのさっぱり美人は、帰りのバスについて、

12:40 旅行案内所発(←私たちが港で待っていたバス)(来ない)

のバスを第一候補として勧め、


14:40 旅行案内所発 (←私たちが今待っているバス)(来ない)

のバスは、勧めず、


16:30 港発・旅行案内所経由

のバスを第2候補として勧めたのだ。


なぜ、あのサッパリ美人は、今私が待っているバスを薦めず、
その前のバス(つまり、観光案内所発の、私が乗り過ごしたバス)か、
あるいはその次の、2時間後の4時半出発のバスを薦めたのだろうか。
彼女が薦めた2本のバスと、今私が待っているのに来ないバスとの
違いって、なんだろう???


 人間、真剣になると色々なものが見えてくるものである。

フランス語初歩の初歩レベルの私であったが、停留所にあった時刻表を
眺めていると、それぞれの単語の意味を思い出した。

「バスの日」という小さな欄が、まず時刻表の一番上にある。

そこに、彼女が薦めたバスはLMJVSという
大文字が書いてあり

、今私たちが待っているバスにはMeと書いてある。


ここに、バスが来ない秘密が隠されているようだ。



ポコポコポコポコ・・・・チ~ン


っわかったぁ~~~~~!!人間、真剣に考えれば分かるものである。

これは、「日」ではなく「曜日」を示しているのだ!

LMJVSは、

Lundi(月曜日)Mardi(火)Juedi(木)Vendredi(金)Samedi(土)の
頭文字で、

MeはMercrdi(水曜日)の頭二つの文字だ!
(おそらく同じMで始まる火曜日と区別するためであろう。)

で、今日は・・・火曜日Mardiじゃん。

Meじゃ、ないじゃん。つまり、水曜日にしか来ないバスを、私たち(と、同じく
バス停でそわそわしていた若者二人組)は、そわそわしながら待っていたのだ。


ガッデム(無心論者だけど。)



だから、すっきり美人はこのバスを薦めなかったのかぁぁ。

なぞは、解けた。

だが、ついでに、バスは4時半まで絶対に来ないことも、判明した。


 ど、どうしよう、チケット。このまま、2万4千円くらいはする、TGVの
帰りのチケットをみすみす無駄にするのであろうか・・・・。2万4千円あったら、
何が出来る?ペルシア語の大辞書も買えるし、パリでかなりいいレストランで
食事も出来るよ。

と、嘆いている間に、目の前の観光案内所が開いた。

職員が、長いランチから皆戻ってきたようである。気を取り直して、さっそく
秘儀「なんちゃってフランス語」の出番である。

「こんにちは、あの、国鉄の切符を変えたいんですが。」

「ああ、それなら、近くに国鉄のオフィスがあるので、変更できますよ。」

っな、なんですとぉぉぉぉ。だったら、何も「ラ・ガール通り」停留所
降りることもなかったじゃん。そして、あんなに落胆することもなかった
じゃん。

観光案内所のお姉さんにお礼を言って、鼻歌交じりで国鉄の事務所を
探す。歩いて・・10秒のところにあった。っていうか、さっきその前
に立って、シェフの提案(ゴーカートに乗りたい、とか、ポップコーンを買うとか)
を却下してた場所だった。

フランス珍道中⑭ それでも・・バスは・・来ない(涙)_c0201282_18352310.jpg




オフィスを覗くと、やや頑固そうなおじさん
(私が想像する、ブルターニュ男子はこうでないと!)が、届いた手紙を整理している
ところだった。

さあ、頑張れ、私よ。シャルトルでしゃべったフランス語を繰り返せばいいのだよ。


「こんにちは。ここで、切符の変更はできますか?」

「うぃ。」

おじさんは、手紙の整理をやめることも、私たちを見ることもなく、一言で、答えた。

「この切符で、変更できますか?」

「うぃ」

「VISAカードは使えますか。」

「うぃ」

 そして、手紙の整理を終えると、おじさんは私たちの方を見て、

「今日でいいの?このあと?」

と、聞いてきた。

私は、バスの予定表を出して、自分が乗りたい時間16:30を指して

「ここ」といい、次にカンペール駅到着時間を指して、「カンペール」とだけ言った。

おじさんは、私が指し示した時間を自分の指で追う。

頑固そうな太い指が、印象的だ。ブルターニュの男、ここに、あり、だ。


いかにも慣れていないパソコンを、ブルターニュのムッシュは一本指で操作しながら画面を
にらめること、5分。ようやくおじさんは、時間を決定してくれた。

「ここを4時半にでて、カンペールには5時10分に着く。そして
5時半のこの電車に乗れば、9時半にはパリに着く。いい?」

「うぃ」

今度は私が一言だけ、答えた。頑固そうだが、親切なおじさんであった。
やっぱり、ブルターニュのムッシュは、私が想像するとおりであった。

そして、私は、16時37分発のチケットをおじさんに渡し、ほとんどお金をかけずに、
17時半発のTGVチケットをもらった。

さて、一安心。時間もあと2時間近くあるし。せっかくなので、
この街の観光でもしておくか。


私たちは、思いがけず、ドゥアルヌネの町探索にうきうきしながら出たので
あった。実は、このあともう一度、悲劇が訪れるのも知らずに・・。

(何も知らず
うきうき気分で続く)
by manmarunesan | 2010-03-04 18:36 | 旅のおもひで
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とあるビストロの幸せほおばり日記

by manmarunesan
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