毎日が幸せ食堂 ~シェフにナイショでブログ始めました~

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フランス珍道中⑫ ドゥアルヌネの朝市

ブルターニュのドゥアルヌネの駐車場に集まったトラックが
次々と朝市の屋台へと変身する。

 あるトラックは、新鮮な野菜を並べる。

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 彩りが、とても素敵なフランスの野菜。

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 朝市の魚屋さんに並ぶ魚は、さすがに大西洋沿岸の町だけあって、
あらゆる種類の魚がある。鯛・あんこう・サーモン・舌平目・鱒・・・

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 お魚ばかりでなく、ムール貝、海老、カニ、そして、自家製スープ・ド・ポワッソンまで。

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すると、驚いたことに
ほとんどの魚のフランス語名を、シェフは知っていた。


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見よ、この真剣な眼差し!

そのシェフの視線に先には・・・

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「牡蠣、ここで食べようか、夕べのリベンジに。」

え?昨日あんなに具合が悪そうだったのに?
すっかりシェフは元気を取り戻したようである。心は牡蠣モード。

そう、具合の悪いシェフを引っ張って無理やりレストランに入り、そこで
食べた生牡蠣(に、限らず全ての料理)が、「外れ」だったのだ。

「すみません、あなた、これをオープンすることはできますか?」

と、秘儀カタコトフランス語で、魚屋のムッシューに尋ねてみる。

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「ノン。×××が、ないの。」
「×××(←聞き取れない)って?」

すると、スキンヘッドだけど人懐こい顔の青年が、ナイフを持って
開ける格好をして、「ノン」と続けた。なるほど、×××って、ナイフのことね。

「ナイフが、ないんだって。」

「じゃあ、買ってくるか、どこかで。」

港散策も兼ねて、辺りを歩くことにする。ひとまず、朝市よさらば。
閑散としたお土産屋さんの間に、地元スーパー発見。そこだけが、
人々の活気を微かに放っているようである。

とりあえず、普通の果物ナイフを買ってみる。

お、こんなところに白ワインのミニボトル4本セットも ありますよ。
シードルを飲むのに、ちょっと洒落た紙コップも売ってるし!
ノン・ブロブロムだね。(まだ午前中、ということ以外。)

 さっそく朝市に戻って、牡蠣を半キロ購入。最初、一キロくらいは
買わないと失礼かと思ったが、シェフが止めるのでやめた。半キロで
小さな牡蠣が7つ。よかった、一キロにしないで。

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大人気の移動式魚屋さんなのだ。お金を払って、私たちは入り江に向かった。


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 そして、海に向くベンチに腰掛けて、夕べのリベンジ。入り江なので
波もさほど高くなく、風も穏やかだ。ビバ、暖冬。多分気温も10度以上はある。

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 そしてそして、ただの果物ナイフなのに、巧みに牡蠣を開けるシェフ。

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周りにいたフランス人には、「ちょっと何なのこと人たち」みたいな注目を
浴びたけど、いいの、牡蠣、美味しいし。ワインにも、合うし。午前中だけど。

はあ、来てよかった、ドゥアルヌネ。幸せな、午前中だよ~~~。


 (しかし、この幸せで暢気な時間のあとには、この旅行最大の危機が訪れるのであるが。)

(なにもしらないまま、続く)
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by manmarunesan | 2010-02-28 15:50 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑪ 大西洋を見に行こう!

 カンペールの雨は、シェフをすっかり参らせてしまった。お勧めの
ホテルに着いたときにはちょっと熱まで出てしまい、とにかく
暖を取って寝かさないと・・・って、ホテル寒っ。暖房、入らないっ。

二人で震えながら、遅めの昼食。くぅ~、冷えた身体にシードルが
凍みますなぁ、とか言いながら。

シェフ、食欲低下。これもヤバイ。とにかく、寝かせて体力を
回復させないと。

 夜が更けるにつれ、雨脚は強くなるばかり。途中、空腹で目が
さめたシェフと、近所のレストランに。

 が、残念ながらここのレストランが大はずれ。シェフ、最後の
力を振り絞って行ったレストランが大はずれだったことに、
心身ともにノックアウト。

 とにかく、寝ましょう、シェフ。体力を取り戻してくださいな。

 雨の音がしだいに強くなるのを聞きながら、それでも寝息を立てて
眠るシェフの体力が戻りますように、と、天に祈る私。


・・・・・・・・・・・・・・・・



 朝になって駅前に人々が集まり始めた頃には、雨もすっかり止んだ。

ハレバレと目が覚めた私は、まだ寝ているシェフを残して、一人で朝食を食べにいく。
超エコノミーなこの宿にはレストランは付いていないので、となりのカフェに入る。

 すると、フランスに来て初めて、人々から注目される。珍しいのだろうか。
東洋人の娘(と、思われていると思われたい)が一人で朝早くカフェに
来るのは。(そう、かなり珍しい。)


 大き目のカップになみなみと注がれたカフェ・オ・レをすすりながら、
私は今日の予定について考える。あたりは、ようやく夜が明けてきて、人々が
動き始めたところだ。もう、8時なんだけど。冬のフランスの朝は、
想像以上に遅い。

 クロワッサンをちぎりながら、シェフの具合が良くないなら、このまま
大西洋は諦めてすぐにパリに帰り、もし具合がよくなったら、どこに行こうか。

 カンペールは雰囲気のある街だが、
地形的には少し入り込んでいるので海そのものは見えない。

 そうだよね!私たちは大西洋を見に来たんだから、やっぱり海に行かないと!


 とはいえ、さすがにここまで末端の町まで来てしまうと、ガイドブック
には詳しいことが載っておらず。誰に相談すればいいのだろう・・。
 

 そうだ!餅は餅屋!じゃん!

 そそくさとパンとカフェ・オレを口に放り込むと、私は国鉄駅の隣に
あった長距離バスの切符売り場に出かけた。必殺、てきとーフランス語
の出番である。

 窓口にいくと、さっぱりすっきりした感じのお姉さんと、その取り巻き
であろうおじさんたちがタムロしていた。(その取り巻きたちは、あとで
出発を控えた運転手さんたちだと判明するのだが。)

「あのーすみません、わたし、海をみたいのです」

 え?何いってんの、こいつ、チケットを買いに来たんじゃないのか?
とりまきおじさんたちが一斉にザワザワする。「ラ・メール、とか言ってるぞ。」

 窓口のサッパリ美人は、あらためて身を乗り出し、次に私が何を言うのか、
待ち構えた。

「えっと・・海に行きたい、でも、わからない、海がどこか。」

 ああ、せめて、shouldを意味するフランス語も習っておくべきだった。
そしたら、もう少しマトモな表現ができたのに。

 しかし、こんな幼稚なフランス語でも、サッパリ美人には通じたようだ。

彼女は、ある路線のスケジュール表を取り出し、地図でその場所を示しながら、
こういった。

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「ほら、この、douarnenezなら、9時10分に出発して、10時前には港に到着するでしょ。
で、え~っと、この、1時ちょうどにこの街の観光案内所の前からバスが出るから、
そしたらここに2時にはここに、戻ってこれるわ。」

「じゃあ、そこに行きます。チケットは、ここで買えるのですか?」

(買えるであろう、私よ。なぜならここはチケット売り場だ。)

 とはいえ、シェフの具合次第だから、今はまだ買わない。なんちゃってフランス語で、

「また、ここ、来る。二人で、たぶん」(ほとんど単語を並べただけ)

でも、さっぱりすっきり美人は、何とか私の言いたいことが分かったようだ。

「ええ、二人?じゃあ、4ユーロ(700円くらいか)よ。いい、切符買ったら、
NO.2の乗り場で待っててね。」

「ありがとう。」

 するとさっぱり美人は、私に素敵なウィンクを送った。う~ん、
朝からテンションあがるなあ。

 私は小走りでシェフの様子を見に、ホテルに帰った。え?大丈夫そう?
じゃあ、さっさと、出発するよ!

 いつまでも寝床でゴロゴロしているシェフを起こして、出発の準備
(っていっても、靴を履くだけだけど)をさせて、駅に向かう。まずは、
帰りのチケットを買っておかないと。

 帰りのチケットは、カンペール2時半発、パリ・モンパルナス駅に7時着。
もっとゆっくりしてもいいんだけど、まあ、いいか。一日に7本くらいしか
ないもんね。

 そして、いざ、バス乗り場に!さきほどの美人から切符を買い、
彼女の指示通り、NO.2の乗り場でしばし待つ。シェフに、フランスパンに
ハムを挟んだものとコーヒーを買って乗り場に行くと、ちょうどバスが。
さあさあ、乗り込んで出発!

 運転手さんは、弱冠20歳くらいの青年。ギアチェンジで加速するのが苦手なようだ。
細くて人の多い旧市街の道を抜け、ようやくブイブイ加速していく。

めざすは、ドゥアルヌネの港町

(ちなみに、正確なドゥアルヌネのカタカナ表記を知ったのは、
帰国して、ネットで調べてからだ。このときは、『ドで始まる町』とだけ
呼んでいた。)

 ブルターニュの空は低い。雲が何層にも掛かって、太陽の光を屈折
させながら大地に届けている。不思議な雲の動きと、若緑の畑と、薄い
黄色の花をつけた畑(シェフはそばだと主張。違うと思うが)と、牛と
ところどころの住宅街を抜けて、あがってさがって、くねくね曲がって、


きゃ~、海が見えるようぅぅぅ~~~


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小一時間ほどで、到着した!

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ドゥアルヌネ!バスが到着した大きな駐車場と、ボートだまりは、多分バカンス
のときは大勢の人でにぎわうのであろうことを示していた。

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そして、遠くにトラックが数台、停まっている。え?もしかして??

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キャー、朝市である!野菜を売るトラックと、魚を売るトラックが、
ずらりと並び、地元のオバサンおじさんたちがかわいい買い物籠を持って
並んで物を吟味している。


 そして、シェフもすっかり元気を取り戻し、私たちは小走りで朝市に
向かった。(続く)
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by manmarunesan | 2010-02-27 23:07 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑩ 雨のカンペール

幸せをくれた母娘と別れ、さらに二駅(とはいえ、かなり
時間が掛かった)、ようやく私たちの電車は終点カンペールの到着。

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思えば、遠くへ来たものだ。

あいにくの小雨であるが、傘をさす人は少ない。気づけばもう3時。
空腹で死にそうである。

とりあえず、駅前のカフェでサンドイッチでも食べませんか、シェフ?

「いやだ、胃がもったいない。」

 ・・・またですか?でももう3時も過ぎたから、シェフの胃が
納得するようなレストランはもう休憩に入っちゃってるよ。

小雨が降る中、今夜の宿を探す・・つもりであったが、おっと、
素敵なスーパー発見。スーパー見学と行きますか。特に急ぐ
旅でもなし!

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 スーパーに入ると、シェフが真っ先に進んだのは・・ああ、
お惣菜コーナーですね。何を見てるの?あ、残念、それは
せめて電子レンジがないとね~。ああ、残念、それは油で
揚げないと。ああ、あああ、それも、生では食べられないだろう。



 欠食児童と化したシェフの食への要求は、もはや誰にも止められず。
火を使わなくても食べられそうなオードブルを次々買っていく。
ならば、せっかくブルゴーニュまで来たんだし、地元ならでは、の、
シードル(りんごのスパークリングワイン)辛口と、そば粉のクレープ
も購入。


 さて、あとは食べる場所ですね。まずは、駅前から1キロ先にある
カテドラル周辺の旧市街に行きましょう。きっと、レンヌのように
安宿があるでしょう。

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 カテドラルの前の広場では、子供が雨にもかかわらず楽しそうに
メリーゴーランドに乗っている。その反対側には、カテドラルを
背にした辛夷(こぶし)の真っ白い花が満開である。

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 サラサラと音を立てて振る雨の中、ガチャガチャと音楽を鳴らす
メリーゴーランド。そして甘い匂いを放つポップコーンの屋台!

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 またしても、幸せの光景である。雨の中でも、幸せの風景。
 
 メリーゴーランドに乗る妹をみて、「僕は君がこのライ麦畑から
落ちないように守る人になりたい」とつぶやく、ホールデン・
コールフィールド少年の気持ちが今ならよく分かる。


・・・と幸せの風景に酔っていると、次第に雨が強くなってきた。

 旧市街を彷徨うが、安宿どころかホテルすら見つからない。

古い建物なのに、モダンな商品が並ぶ街の風景も、今はなかなか
楽しめない。自力で探すのはやめて、ツーリスト・インフォメーション
に頼ろう。またしても、てきとーフランス語の登場である。

「こんにちは~。あの、私、ホテルを探してます。あ、二人部屋を
探しているんです。でも、私、分かりません、良いホテルがどこに
あるのか。」

 すると、感じのよい青年が街の観光案内を持ってきて、ホテルの
ページをペラペラとめくった。

「あの、経済的な宿を、お願い」

「じゃあ、ここがいいよ。ホテル・TGV。ここは、経済的だし、
悪くない。駅前だしね。」

 しまった。そのホテルなら、駅を出たときにすぐ見つけた所だ。
そして即座に 却下したっけ。「旧市街のほうが良いホテルがある」とか
言って。なのに、またUターンして、また小雨の中1キロ歩いて
戻らないといけないのね。仕方ないよね。

 外で待つシェフの方を見ると、両手に重たい荷物を持って(なにせ、
食べたいお惣菜を片っ端から買った上に、重い瓶のシードルやら
エビアン1.5ℓボトルなどがはいっているのだ)雨に濡れてこれまた
惨めな姿になっていた。

私は心の中で手を合わせながら、シェフに伝えた。

「あのね、駅前にいいホテルがあるっていうから、そこに行こう。
大丈夫?」

「大丈夫。」

 我慢強い人である。しかし、いつもそれがアダとなる。

この我慢強さを信じた私のせいで、さらに小雨の中1キロ強を
スーパーの惣菜と1・5リットルのミネラル・ウォーターと
シードル(もちろん大きいビン)を両手に抱えて歩かされたシェフは、
その晩、突然震えだして、ダウンしたのである!

(ハラハラしながらも続く)
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by manmarunesan | 2010-02-27 09:57 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑨  カンペール行きのTGVの中で

レンヌからカンペールは、TGV(フランスの新幹線)で3時間弱。
一昨日のファーストクラスとは一変して、セカンドクラスは
日本の新幹線の普通車とほとんど変わらない。

月曜日だというのに、子供や学生が多い。しかも、皆大荷物だ。
駅では大抵、誰かが誰かを迎えに来て、誰かが誰かと別れを惜しむ。

・・・休日なんだな、多分。そして学生や子供たちはおじいさんや
おばあさんの家に遊びに来たり、パリの学生たちは実家に帰って
いるのであろう。子連れの家族も多い。

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 コワイ顔に似合わず、子供好きのシェフはフランスに来てからも
ご機嫌だ。この国は、子供が多い。そして、かわいい。シェフの
妙なジェスチャーにも、はにかんだり、こまったり、おこったり、
それぞれの子供のそれぞれの反応がかわいい。

 長い電車の旅にすっかり飽きてしまった女の子がいた。くるりと
座席の後ろを向いて、なにやら後ろの人(←知らない人らしい)と
話をしているらしい。

 シェフの「にやり」とする音が聞こえたようだった。でも、
女の子は警戒してシェフのところだけには来てくれない。遠くから、
当人はとっても愛想のいい、しかし客観的に言えば不気味な笑顔を浮かべる
東洋人中年に、ほいほい寄って来る子供がいようか。いやいまい。

 しかたなく、シェフがどこかでもらってきた不動産屋のフリーペーパー
を、私はベリベリと破り、大きな鶴を折ってシェフに渡した。

 女の子が、チョロチョロと歩き回ったそのとき、シェフが鶴を
女の子に差し出した。おそるおそる手にとって、ピャーっと自分の
座席に戻り、お母さんに鶴を見せた。

「クワ(←フランス語で「何」)とか言ってるよ、ふふふふ。」
 上機嫌である。(シェフが)

「クェクェとか鳴いてるよ。ふふふふ」
 とにかく上機嫌である。(シェフが)

 そんなに(シェフが)喜ぶなら、と、さらに広告を半分の大きさに
ペリペリ切り、もう少し小さい鶴と、さらにその半分の鶴と、
さらにその半分の鶴を、折ってシェフに渡した。

 三つの鶴をひとつずつ女の子に渡すシェフ。満面の笑みだ。(シェフが)
が、 傍目で見てると、やっぱりちょっとコワイ。ま、当人(シェフのこと)
がこんなに喜んでいるなら、いいか。

 4羽の鶴で遊ぶ女の子の座席から、声が聞こえる。

「ムッシュ・グラン」(大きいおじさん)

「マダム・プチィート」(ちいさいおばさん)

「ランファン」(こども)

「モワ!」(わたし)

 幸せの絶頂である。むろん、シェフが。

 女の子はお母さんと私たちが降りる駅の二つ前で、降りてしまった。

私たちの座席を通り過ぎるとき、お母さんが目を少しクルリンと動かし、
静かに挨拶。私も、細いながらクルリン。

 車窓越しに親子を探すと、女の子は大好きなおばあちゃんに抱きついて
いるところ。

 幸せな幸せな、光景である。目指すカンペールは、まだまだ先だったが、
私たちはこの光景だけでも、もうお腹一杯幸せ一杯だった。

(心が温まりながら、つづく)
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by manmarunesan | 2010-02-26 14:56 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑨ レンヌの朝

レンヌの朝は小雨だった。傘をさすほどでもない、というよりも、
むしろ心地よい雨だ。

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簡単な朝食を済ませて、チェックアウト。チェックアウト、と
行っても、持ち出す荷物がないから、「ちょっとその辺をブラブラ」
なのと変わらないスタイルであるが。

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 レンヌはブルターニュ地方が王国であった頃から栄えていた
都市で、旧市街自体が観光地である。そしてその一番のメインが、
カテドラルである。


 これまた古い、しかしシャルトルのよりはやや見劣りする木の扉を開けると・・

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でたぁー、パイプオルガン。荘厳に響く、聖歌。

まだ朝が早いせいか、見物人は私たちだけである。

ウモー、また ヤンナッチャウナ、モー。素敵すぎる・・

 静かに、カテドラルを歩きながら、遥かにそびえる天井を
見上げると、これまたすばらしい宗教美術がイエスの教えを
囁きはじめる。

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「ハロー、どちらからいらっしゃいました?」

流暢な英語で話しかけられ、振り返ってみると、やさしそうな青年
(若干、中年に近いけど、おまけ)がニコニコしていた。胸に
光るは、もちろん十字架。神父さんだろうか。まだ説教の時間には
間があるので、私服なのだな。

「すばらしい、本当にすばらしいカテドラルですね。」

アタシは帰依しませんけどね、と心の中で続けながら、率直な感想を
述べた。すると、私服の神父様は再び流暢な英語でお話を始めた。

「そうですね。ここは古くからこの地域で重要なカテドラルでした。
あちらの絵は、有名なイエス様の逸話を描いたものです。『私は
誰なのだ』という問いに、ペテロが『あなたは、神の子である』と
答えたのに対し、イエス様が満足して、ペテロに天の国の鍵を
与えたのです。」

長くなりそうだなー、と思いながらも、さすがに口に出さずに
フンフンと頷いておく。が、神父さんのお話がまだ続きそうな感じ
だったので、

「ここに来られて本当によかったです。信仰(←キリスト教、とは言ってない)
について、考えるキッカケになりました。」

と、適当な挨拶をして外に出る。

 人が少し出てきたようだ。が、相変わらず街は活気を取り戻して
いない。まるで、休日のようだ。月曜日なのに。

 っていうか、今日も休日なのか?(休日だった。後で分かるのだが。)

 人気のない街を歩いて、帰りは地下鉄でレンヌ国鉄駅まで急ぐ。

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「あれ?もう駅についたの?夢見たいだな。夕べはあんなに歩いたのに・・」

方向オンチの上に、時間感覚も独特なシェフの質問はあえて聞こえない
振りをして、切符売り場に急ぐ。

レンヌ駅正面には、何台が切符の自販機が並んでいた。

うっふっふ。(←不敵な笑い)

悪いが私は昨日のうちに、自販機の使い方を研究しておるのだよ。
ちょこざいな(死語)。しかも今日は、セゾ○・VISAカードで
切符購入ですよん。(日本で換金してきた現金は、すでにこの時点で
使い果たしてしまったのだ。ちょっとドキドキ☆)ま、カードさえ
あれば何とかなるでしょ。実際、こうして国鉄の切符の自販機でさえ、
カードOKなんですから。ヨイショ。

が。

切符自販機は「VISAカードもOKよん」と案内に書いてあるのに、
カードを投入後の画面操作の最後の段階で、なぜか私のカードを
拒絶。

どうしました?私のカードでは、ご不満ですか?たしかに、銀行で
発行してもらったVISAカードではないですが、たしかに、某
デパートのカードにつけたVISAカードですけど、VISAはVISAじゃ、
ないですかぁぁぁ。どうしたら、受け入れてくれるんですかぁぁぁ。

 仕方なく、人のいる切符売り場を探す。探す。探す。が、ない。

わざわざ、駅反対側出口にも、行ってみたのだが、ない。

しかたないので、恥ずかしいが、 カタコトのフランス語を駆使して、
駅のインフォメーション係に聞いてみる。「あのう、切符を、人から
買いたい、 のです。」

するとブルターニュの男らしい恰幅の良いおじさんが、太い指で左の
方を指し示し、「ユー・ゴー・レフト。オーケー?ゴー、アウト、アンド
レフト。オーケー?」

オーケー、オーケー。

っていうか、何で切符売り場が駅の外に?しかも、ここは、かなりの観光地だよね? なのに、「駅の外に切符売り場があります」なんて、一言も書いてないよね?

っていうか、なんで外なの?しかも、離れてるしっ!切符買うだけ(正確には、切符買う場所を見つけるだけ)で、もうすでに20分くらい使っちゃったんですけどっ。

と、自分の非を認めず、ひたすらレンヌ駅のせいにしながら、シェフを
連れて、人のいる切符販売所に行く。今度はなんの問題もなくVISAカード
も使うことができた。一瞬、このままカードが使えなかったら、と
考えるだけもでチビってしまいそうなことが頭をよぎったので、
とにかく一安心だ。
なんとも、色々スリリングな旅である。

 電車の時間まで少しあるので、駅周辺を散策。雑貨屋さんを探す。
何も持たないいきあたりばったり旅行なので、とにかく宿泊する
用意がない。ホテルには、歯ブラシもカミソリもない。ましてや、
化粧品をや。雑貨店を探して、とりあえず歯ブラシと歯磨き粉を
買って、近所のカフェでコーヒーを飲んで歯を磨いた。

 さて、さっぱりしたところでいよいよ、本格的に海にちかい、
カンペールに出発である!(さっぱりと続く)


・・・・・・・・・・・・・・・・
【あとがき】

 帰国後、フランス語の先生に今回の「VISAカード拒否事件」について
話をしたところ、先生によると、国鉄の切符自販機でカードを使うには、
それ専用のチップが付いていないといけない、とのことでした。

 さんざん自販機に悪態をつきましたが、結局はワタクシの無知ゆえの
できごとでした(反省)。
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by manmarunesan | 2010-02-22 14:26 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑧ レンヌの夜

快適なTGVのファーストクラスの旅は、あっという間に終わってしまった。
ありがとう、ファーストクラスよ・・。素敵な思い出、ありがとう。

さて、8時過ぎたレンヌの街は完全に静まっていた。石畳の道を、ひたすら
旧市街に向かって歩く。駅前に何軒がホテルがあったが、駅前から旧市街
まで1キロ以上。明日、観光をするのであれば、やっぱり旧市街のホテル
の方がいいんじゃん?安ホテルもありそうだし。

駅から10分ほど歩き、橋を渡って旧市街に。あてどない旅も、よいものだ。

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と、言うわけで旧市街入り口の川のふもとからホテルを探す。夜、
ホテルを探すのは、昼間のそれよりも簡単だ。夜中なのに、ピカピカ
しているところが大概はホテルだ。案の定、見つけた。安ホテル。

安っぽい扉を開けて、受付のお兄さんにカタコトのフランス語で
話しかける。

「こんばんは・・二人部屋はありますか?」
「はい、もちろんですよ。46ユーロでいいですか?」
「はい。」

あら、いつの間に私ったら、数字もすらすら分かるようになったの
かしら?って、英語だった。がっかり・・。

階段だけの安ホテルは、ひざがガクガクするまで螺旋している。
ふう・・部屋は・・テレビとシャワーがあるだけまあ、いいか。



気を取り直して、夕飯を食べに出る。

日曜日なので、カバブ屋、豚足レストラン、クレープ屋くらい
しか開いていない。カバブは、まあ、フランスじゃなくても
いいし。クレープ屋は、シェフが厭らしい。

(ちなみに、ブルターニュではクレープ、特にそば粉で作った
クレープと、りんごで作ったスパークリングワインのシードルが
有名であるのだが・・。)

 もう少し先まで歩いていくと、ようやく「グリル」と書かれた
ビストロ発見。その手前は、中華キッチン、向こうは、インド
カレー屋。その他はクレープ屋。もはや、選択の余地はなし。


「グリル」と書かれたビストロは、細い店構えであった。
4人席が手前に3つ、その向かいに二人席があって、あとは
厨房カウンター。暖炉の前に炭火の焼き台がある。

 お店はほぼ満員。おそらく、クレープ以外のものを食べたい
観光客が、唯一ビストロっぽいこの店に集合したようだ。

カラフェの赤ワインを頼んで、黒板に書かれたメニューを
吟味する。

・ ・・・よ、読めない。フランス語が分からないのではなく、
フランス人の手書きの文字が読めないのである。

 吟味の前に、フランス語の解読である。

 10分くらい黒板とにらめっこしていただろうか。ようやく、
文字と数字が判別できるようになった。さっそく、注文。
カタコトのフランス語で。

注文を取りにきた若者は、こちらがどうにかフランス語を読み
(シェフは、料理についてのフランス語はかなり詳しい)、
どうにかこうにかフランス語で注文(こっちは私の仕事)したので、
ちょっと安心したようだ。

・ ホルモン等肉のビネガー炒めサラダ
・ 魚介のテリーヌとサラダ
・ マグロのトルネードステーキ
・ サーロインステーキの炭火焼き

トルネードって何だろう?期待に胸を膨らませて待ていると、
単に、厚身のマグロが、まあ、こころもち「丸い」カンジに整えられて
ステーキにされたものが出てきた。この、丸いっぽいカンジが
トルネードなのね。

 お店はさらに1組、1組と増え、文字通り超満員。息苦しく
さえあるようだが、食事が終わっても、誰一人として席を立たない。
我慢比べでもしているのか、と、疑いたくなるけれど、食後もゆっくりする
のがフランス流儀なだけであった。たとえ、外に人が待っていようとも。

 気の小さい日本人我々は、食後のコーヒーを早々に飲み干し、外で待つ
老夫婦に席を譲って、入れ替わりに外に出た。

 満腹になったおなかを抱え、夜のレンヌの街を散策。

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裁判所の前の大広間では、芸を磨く若者や、ラッパの練習をする若者たちが、
黄色く柔らかい街灯の光に浮かんでいる。 (しかし、私に今ひとつ度胸がなく、
彼らにカメラを向けることができず。残念だ。)

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静かだけど、ひそかに熱いレンヌの夜である。(ひっそりとした情熱で続く)
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by manmarunesan | 2010-02-20 22:26 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑦ TGVで、ル・マンに!


 パリ・シャルトル間往復チケットを買ってしまったので、帰りの分をキャンセルして、レンヌ行きに買い換えないといけない。

 えっとえっと。よもやこんな遠くまで行くとは思っていないので、手元にあるのはパリと郊外についてのガイドブックのみ。もちろん、会話集も辞書もない。あるのは、とおーい、とおーい、とおーーーい昔に習った、私のフランス語の記憶のみ。

 電車があと1時間近く来る気配のないシャルトル駅は、待合室も窓口も暇そうである。一番退屈そうなオバサンのいる窓口に行って、おずおずとフランス語で話しかけてみる。

「こんにちは、すみません。」

「はい。」

「私は、行き先を変えたいのです。レンヌに行きたいのです。」

「はい。」

「でも、パリへのチケットがあります。(←「買ってしまった」という意味の過去形の活用が思い出せなかった。)これを、cancel(←ここだけ英語)することは可能ですか?」

「ウェン?」

「いや、ウェンっていう街じゃなく、レンヌ。(←フランス語風に発音すると、「ほんっ」に近い。排気量の強い「ほ」)」

「ウェン?」

「ほんっ。(←「レンヌ」のつもり)」

通じないのかな、私の発音。ちょっと弱気になったところで、オバサンがキレた。

「だから、When? When did you go to RENNE?(英語で、「あなたはいつ出発したいの?」」

あ、ウェンって、英語だったのね。通じてたのね、私のフランス語。

 時間を調べてもらうと、おばさんが今後の予定をプリントアウトして迫力ある英語で説明してくれた。

「今からだと、次の電車に乗って、ル・マンに行って、ル・マンからTGV(←フランスが誇る新幹線。世界最高速度を、JRの東海道新幹線と競っている)に乗っていけば、8時にはレンヌに着くわよ。」

え? ル・マン?

 ちゃらっちゃっちゃら~ちゃら~ちゃららら~ 
  っんっじゃじゃんっ じゃじゃんっ

(↑もちろん、フジテレビの日曜深夜にやっていたレース中継のテーマソングである)

もう、そのテーマが止まらない。オバサンは続けて調べてこういった。

「この電車しか、この時間レンヌにいくTGVはないんだけど。もうセカンド・クラスは売り切れて、ファーストクラスしないんだけど、どうする?」

 え?ファーストクラス?つまり、日本の新幹線で言うところのグリーン車?(いや、それよりもっと高級ですよ。)


「い、いくらくらいになりますか?」

「えっと、ちょっと待ってね・・・95ユーロくらいかしら。」

95ユーロ・・ざっと(本当にざっと)計算して15000円以下。ええい、でもいいか。ル・マンからレンヌまで1時間弱。ま、妥当かな。

「しかも、この切符(シャルトルからパリへの帰りの切符)をキャンセルするから、差額で、70とちょっとからしら。」

「ああ、それなら、大丈夫です。キャンセルしてください!お願い。」

そして、私たちはパリには帰らず、大西洋に向かう こととなった。

出発まであと数十分。シェフは、二台(しかない!)切符の販売機のうちの一台ところに立って何やらいじっている。すると、隣の台にいた人に何か話しかけられていた。慌ててこっちに戻ってくるシェフ。

「怒られたの?買わないのにいじってたから。」

「いや、違う。俺の見てた台は故障してるらしくて、それを見てたら、隣の人が『壊れてますよ』って教えてくれたんで、慌てちゃった。」

「『壊れてますよ』って何ていうの?」

「知らない。けど、多分そうだろう。」 さすが、動物的勘のするどいシェフ。フランス語が分からない分を、勘で補っているようだ。そうして私たちは残りの数十分を、壊れた自販機で切符を買おうとするフランス人たちの反応を観察し、電車が来るのを楽しく待った。(性格悪し)


ル・マンまでの電車からの風景は、さらにのどかであった。

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小さな家と緑広がる牧草地、若い緑の小麦畑。そして時々見える、白い牛、白黒の牛、黒い牛、羊や子羊、鶏、鴨・・・

丘を越え、ゆこうよ~
口笛、吹きつーつ~
小川澄み、青空~
まきば~めざーして~

うたおー ほがらに~ ともに手をとり、
ランラララララン

ララ、やぎさんも~ メーメー
ララ、やぎさんも~ メェ~

歌詞が若干おかしいが、私らの車両にはだれも乗ってこないので、ちょっと声に出して歌ってみた。のんびりゆったりとした時間が、間延びした夕日といっしょに日没の空間を彩っていく。

こんな日没なら、全然寂しくならないのにな。

電車が西へ西へ向かうので、太陽を追いかけているようだ。沈む太陽を、追いかける私たち。小さな川が流れている。

ヤドリギに覆われた木々が立ち並ぶ。っていうか、ヤドリギ、多すぎ。

電車内に差し込む陽が、ようやく少し冷たさを帯びてきた頃に、着いた。

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ル・マン

あのF1の、24時間耐久レースの。

ル・マン

のどかで暢気な旅行の中継地には一番似つかわしくない街だ。

とはいえ、残念ながらこの街には30分ほどしかいられない。駅前の商店街を歩いて雑貨店を探す。シェフのひげそりを買うためだ。このままだと、不審者と思われても仕方ないくらいの風体だ。(それじゃなくても、言動が怪しいのに。)その代わり、強盗に襲われる心配はないけど。襲われると心配されることはあってもね。しかし、残念ながら雑貨店もスーパーもない。シーズンオフのル・マンの街は、駅前が工事中であることもあり、全体的に閑散としていた。

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 記念にル・マン駅の写真を撮って、いざ、TGVのファーストクラスに。

TGVのファーストクラスは、新幹線のグリーン席とは全然レベルが違った。コンパートメント風に分かれた向かい合わせの座席は、文字通り飛行機のファーストクラス並みのふかふかシート。そして折りたたみ式のテーブルが付いている。そこでは、おしゃべりも禁止なようだ。静かな上品な空間。早速シェフは睡眠に入った。

ファーストクラスなのに・・。もっと、こう、ファーストクラス感を堪能してもらいたいのに・・・。

 ファーストクラスの人々は、テーブルに本やパソコンを広げ、一人ひとりが自分の時間を楽しんでいるようだ。手元に、趣味のいいランプ風のやさしい色のライトがあるのも、ファーストクラスならでは、だ。
 
 外はすっかり暗くなり、前の座席に座る青年に警戒(かなり)されながら、不釣合いな空間になじめない東洋人夫婦であった。(うとうとしながら、続く)
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by manmarunesan | 2010-02-20 13:28 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑥ シャルトルぶらぶら

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そして、いよいよノートルダム大聖堂。 厚く重たい木の扉を押して開けると・・

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 思わず、息を呑んだ。

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 ちょうど、パイプオルガンの生演奏中。そして四方八方にはこれまた
すばらしいステンドグラスの数々。

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 暗がりの中、ところどころで蝋燭が点されて、荘厳で神聖な空間。

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 私は再び、息を呑む。一言で言えば、


マイッチャウナ、モー、 な心境である。

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 薄暗いカテドラルの中の一隅に、光が不思議な空間を造る。


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暗闇を通り過ぎると、まぶしいくらいに光が注ぐ回廊にでる。


マイッチャウナー・モーである。

キリスト教ファンになる前に、慌てて外に出る。薄暗いカテドラルから
出たばかりだと、薄い太陽の光でもまぶしい。

カテドラル裏の町を散策する。カテドラルは丘の高いところにあるらしく、
カテドラル周辺のお土産屋さんやレストランが固まった地域を抜けると、
階段があり、下に人々が暮らす町並みが広がっている。

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町並みも、昔ながらの建物ばかりだ。意図的に保存されているのか。あるいは
単に立て替えずに住み続けているだけなのか。



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ゆるゆると陽だまりの中を歩いていくと、小さな川があった。鴨や
白鳥が水浴びしながら泳いでいる。


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 なんと、のどかな光景だろう。

 川づたいにカテドラルの裏手を歩き、先の階段をゆっくり上がって再び
カテドラルの脇にでた。

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 そうだ。我々はこれからパリに戻るのではなく、さらに田舎に行くんだった。
電車の本数も日曜日だと究極に少なくなるので、慌てて駅に向かう。行く途中、
むかーーーーーーしに習ったフランス語会話を思い出す。

果たして、私のナンチャッテフランス語は通じるだろうか??

(どきどきしながら続く)
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by manmarunesan | 2010-02-19 18:24 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑤ シャルトルでランチ

シャルトルの駅を降り、まずは「腹ごしらえ」の相談。

「じゃあさ、シェフ、そこでサンドイッチでも買って食べる?」

「いや、胃がもったいない。」

「???胃が、もったいない?」

「食べる量が決まってるんなら、変なの(←サンドイッチに失礼!)を食べてお腹いっぱいにしたくない。」

ちなみに、シェフは糖尿病です。食べる量は、確かに決まっているんですけどね。

「・・わかったよ。じゃあ、ビストロでデジュネ(=ランチのこと)だね。」


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私たちは、その通りで一番気の利いたレストランに入る。

 小粋なマダムが「日本人なの?あら、コニチワ~」と日本語で挨拶。

よ、よかった。ちんけな東洋人が来たと、無視されずに。(されないのが、普通。)


このビストロで食した「本日のランチ」は、

・ 昼間だけど、赤ワインをグラスで
・ シェフのテリーヌ(お肉のテリーヌだった)
・ 本日のタルト(ジャガイモ・干し鱈・小柱・鱈)
・ 本日のメイン(鶏肉のソテー ホワイトソース)
・ 鶏肉の煮込み エスタラゴンソース
・ タルトタタン(りんごのタルト)
・ クレーム・キャラメル(ふつーのプリン)

周りの人たちは最低でもカラフェ、普通でボトル、だ。今日は日曜日
なので、きっと昼からワインなんだよね?これが平日のランチではないよね?
いや、それならそれで、酔っ払いの私としてはむしろ好都合なのですが。

ランチの料理は、シェフ的には「想像通り」だった。ちなみに「想像通り」とは、
シェフ的には決してけなした言葉ではないらしい。が褒めてもいないようだ。

でも、十分フランスのランチ堪能。(食事中に写真を撮ると、シェフがキレる
ので、今回の旅行記に、料理の写真は皆無・・・。涙)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【あとがき】

シェフは、フランスの食堂で食べたランチ・デザートにすっかりガッカリしてしまったようで、そのためでしょうか、プリムールのランチでは、かなり気合の入ったデザートをお出しするように心掛けているようです。
(まんまる的には、もう少し原価計算をしてもらたい・・・とほほほ)

とくに、今回の「クレーム・キャラレメル」(つまり、プリン)に対しては、逆に研究に研究を重ね、「本当においしいプリン」として一時お出ししてました。最近ではそれをカラメリゼして、クレームブリュレとして、お出ししてます。

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by manmarunesan | 2010-02-19 17:09 | 旅のおもひで

フランス珍道中④  誘われて大西洋☆

「このままパリに帰らずに、電車に乗っていったらどこまで
行けるんだろう?」

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 隣でぐうぐう寝息を立てるシェフの寝顔を見ながら、私はふと、
考えた。旅心、とでもいうのだろうか。車窓から見えるフランス
郊外の風景が、なぜか私の心を掻き立てる。


これから行くところはシャルトル。シャルトルは、私のイメージでは
東京から1時間ちょいで行かれるので、鎌倉くらいか。(違ったら
ごめんなさい。)


そして、その先は、何が、あるのか。


 頭の中で『さらばシベリア鉄道』(大瀧詠一のやつ)の
一フレーズがくるくる回る。

 “この線路の向こうには なーにーがあるの~”

 てっきりシャルトルの先、この電車の行き先はロワール地方だと
思いきや、なんと!ブルターニュではないか。

そうか、この電車の一番どんづまりは、大西洋に望む街なのか。

 熟睡しているシェフを無理に起こしても、冷静な判断は期待
できない。逸る気持ちを抑えて、もちっと冷静に一人で考えてみよう。

 じゃ、じゃ、じゃあさ、今日はこのあとどれくらいまで進める?
(↑すでにぜんぜん冷静じゃないのだが)

 ・・・さすがにこれから電車で大西洋までは無理であろう。

 ぱらぱらとブルターニュのページを開いて、決定した。

 レンヌ。ブルターニュの入り口らしい。大聖堂が只だ。

 そこに一泊して、さらに西に向かうってのは、どう?
 どうせなら、一番端っこまで行きたいよね。

 カンペール。私の好きな靴のメーカーと同じ名前じゃないか。
(つづりは違うが。)

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行っちゃう?シャルトルから、Uターンしないで、そのまま、大西洋に
向かって、レンヌに、そして、最後はカンペールに?!きゃ~、
一度思うと、もうとまらない!


 わくわくと空想の世界に浸っていると、やがて電車はシャルトルに
着いた。とりあえず、シャルトル観光。それから、また色々考えよう!

シェフを起こして、電車を降りる。

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 シャルトルは、世界遺産がある観光地で、しかも今日は日曜日なのに、
なんとなく閑散としていた。駅から出ると、もうすぐ向こうにシャルトル
の大聖堂の先頭が見える。うららかな日差しを手で遮りながら、シェフが
言った。

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「今、初めて、フランスに来たと実感したよ。」


 おお、君もか!私もだよ。ホテルの周りなんて、ちょっと気を抜くと
イランにいるのと錯覚してたもんね。あとは、地下鉄と地下道の移動
だから、全然パリの街も歩いていないしね。私はシェフのその一言で、
大西洋までいっちゃうことを決めた。


「じゃ、じゃあさ。さっき思いついたんだけど、このまま田舎に
行っちゃうってのは、どう?」

「いいんじゃない?」

「泊まるってことだよ。」

「いいんじゃない?」

「泊まる道具も着替えもないよ。」

「いーんじゃない?」

「じゃあ、行っちゃうか!」

「おう!」

 その前に、まずはシャルトル観光だ。私たちは、大聖堂に向かって
進む・・はずだったが、シェフが駅前のレストランのメニューの前で
動かない。腹は減っては戦は出来ぬからね、デジュネ(ランチ)に
しましょう。(続く)
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by manmarunesan | 2010-02-18 22:08 | 旅のおもひで



とあるビストロの幸せほおばり日記
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