毎日が幸せ食堂 ~シェフにナイショでブログ始めました~

タグ:ドゥアルヌネ ( 6 ) タグの人気記事

フランス珍道中⑯ ドゥアルヌネのウキウキ気分

ドゥアルヌネの小さなお惣菜屋さんのマダムとグランマダムとの
出会いに、私たちの心はすっかり温まり、バスが来なくてオロオロ
した1時間前のことが、嘘のようだ。

相変わらず、ドゥアルヌネの街中は、なんとなくウキウキしていた。
そして、水曜日のはずなのに、なんだか休日のような静けさだった。

c0201282_12492018.jpg



まだバスの時間まで余裕があったので、私たちは、この町に
漂う「ウキウキ感」の原因が何であるのか、探ることにした。

道行くウキウキさんたちのあとをつけて、人々が集う場所を
見つければ、きっとウキウキの原因が分かるに違いない。

 と、シェフが私をひじで小突いて、とある方向を指差した。
シェフの、頑固そうな太い指の先に目をやると、ヒラヒラの
ドレスなどで仮装した子供たち。



 私たちはこの「ウキウキ感」代表選手たちのあとをつけること
にした。こどものあとをつける不審人物に見られないように、
ある程度距離を置いてあとをつける。

 子供たちから少年少女まで、なんだか町全体が仮装大会のようだ。

 と、子供たちは、大きなシェフの人形が飾ってあるとある
ホールの中へと入っていった。


c0201282_12501462.jpg




「この中で学芸会でもやっているのだろうか。」

私とシェフが顔を見合わせて、さて、どうしたものか、考えあぐねて
いると、どこからともなく、マイクを通した声が聞こえた。ああ、
やっぱりこのホールは、町のコミュニティセンターみたいなもの
なんだね。で、何かこの町の催し物が、あるに違いない。
 

 スピーカーから聞こえる声は、誰かに話しかけているようで
あった。っていっても、なんちゃってフランス語程度では私は
聞き取れないが。

「カバンを持った・・・あなた、あなた・・・マダム・ニッポン!」

 ニッポン、って、日本みたいだね。そんなフランス語もあるんだね、
って、ないよ、おい、なに?なに?アタシに話しかけているわけ?

「黒い帽子・・・おいで、おいで、あがっておいで」(←と、言っているような気がする)

 どこでしゃべっているのか分からないので、私はあたりをぐるり
と見回した。

「おいで、上にあがっておいでよ。」(←と、言っているような気がする)


 スピーカーは私に話しかける。いや、もう、バスの時間だし。私は腕時計を
見せて示すふりをした。どこにいるのか分からない誰かに。スピーカーが
答える。


「そんなこといわないで、何が時間なの?これからはじまるんだから、
おいで、上にあがっておいでよ」(←と、言っているような気がする)


 私は、両肩をすくめて、ムリデスヨ、の格好(若干、アメリカンか?)を
して、見せて、そしてどこにいるかも分からない誰かに手を振った。

「おーい、行っちゃうのかい?これからって時に・・あ~あ、行っちゃったよ、
しかたないね、さよなら!マダム・ニッポン!!」(←と、言っているような気がする)

「アタシ、ずっとマイクで話しかけられていたのかな?まいっちゃうよね、
マダム・ニッポン、なんて呼ばれちゃってさ。まだもうちょっと時間があったから、
もしかして、中に入ってみてもよかったかな。あ、でもきっと時間ないもんね。」

街のウキウキ感も伝染し、ちょっと有名人気取りになり、まんざらでもなさそうな私に、
シェフが静かに言った。


「でも、日本人さん、ってフランス語でいうなら、マダム・ジャポネーズ、じゃないの?」


す、鋭いシェフのツッコミ。確かにそうだった。

結局、マダム・ニッポンの謎は解けぬまま、私たちはバス停に向った。

そして、そこで三度目のトラブルに見舞われるのである。のだが、それはまた次回~。


(引っ張りながら、つづく。)
[PR]
by manmarunesan | 2010-03-09 14:55 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑮  気を取り直してドゥアルヌネ散策

再び、暢気でハレバレとした時間が戻ってきた。ドゥアルヌネ
ブルターニュにある、大西洋に面した湾沿いの小さな町らしく、
この時期は観光客より地元民が多いらしい。

でも・・

今日は何か催しものでもあるのだろうか。なんとなく、町全体が
そわそわしているようだ。(ただ、具体的に聞くためのフランス語が
わからない・・・)


街をぶらぶら歩いていると、これまで見たどんな惣菜屋さんよりも
美味しそうなお店を発見。三日に一度はプリムールに来る常連さんは、
ウサギの肉が大好きだと言っていたので、この店のテリーヌ(瓶詰め)
でもお土産にしようか!と、意気揚々とお店に入る。

c0201282_21212344.jpg



c0201282_21224285.jpg



小さいながらも「美味しいですよ!」がプンプン漂うこのお店に入ると、
かわいらしいマダム(年上の人に「かわいらしい」という言葉は失礼
だが)が、ニコニコしながら私たちを迎えてくれた。

c0201282_21231960.jpg



・・・美味そうだ。何から何まで、美味そうだ。この店の惣菜を
端から端まで食べるために、あと1週間、この街に泊まってもいい
くらい、美味しいそうだ。

c0201282_2124056.jpg



なにやら積んであるものも、ぶら下がっているものも、気になるものばかり・・。

c0201282_21243368.jpg




これ、マダムの手作りなんですよね?


c0201282_21251260.jpg



これも、マダムの手作りなんですよね?


c0201282_21255243.jpg



私が近所に住んでたら、きっともう、何も自分では作らない(あ、今も
そうですけど☆きゃは)ですよ、きっと。

c0201282_21263540.jpg



ああ~、これは、美味しいでしょうね。そして、高カロリーでしょうね。
でも、私はそんなこと、気にしません!(してたら、シェフと一緒に
なってたりしません!)

 私たちが美味しそうな惣菜を眺めていたら、中から小さなオバアサン
もニコニコしながら出てきた。

「あなた、フランス語は分かるの?」

「ほんのほんのちょっとだけしか分かりません」

 すると、マダムが自家製らしいハムを指差して何か言った。

す、すみません、正直、聞き取れませんでした。

「『我が家の自慢のハムだから、これはぜひ食べてみてくださいな。』と、
多分言ってるんだよ。あと、ハムの作り方を説明してるんだ。」

c0201282_2129395.jpg



 これまで、私がフランス語を話すときはまるで他人事のように
していたシェフが初めて口を開いた。

「え???分かるの?」

「なんとなくな。“燻製にしない”っていう単語だけは聞き取れた。」

そ、それだけですか?

すると、今度は小さいオバアサンが何か言ってきた。す、すみません、

わかりません。

「どこからきたの、って言ってる?」 と、シェフのフォロー。

「え、ほんとに?」

すると、マダムとオバアサンがニコニコしながら

「トキョゥ?」

ああ、トウキョウのことですね。ほんとだ、すごいよ、シェフ。

私は、すかさず、ウィ、と言って、うなづいた。満足そうな、マダムたち。

「こんどは、フランスはどうか、って聞いてる。」

「ほんとに?」

シェフの言葉(勘)を信じて、フランス語でこう答えた。

「えー、フランスは、とてもうつくしいデス」

お~、と、歓声をあげるマダムとグラン・マダム(←造語)。

「そして、フランス人は、とても親切です、ホントに」と、付け加える私。

おおおお~、とお互いの顔を見合わせて喜ぶ二人。

そして私たちは、マダム自慢のハムと、今夜ホテルで食べるための
お惣菜(豚舌とレバーなどで煮たもの、シェルのパスタをトマトで
煮たもの、野菜と豚肉の炒め物)と、テリーヌの瓶詰め4つを買った。

フランス国鉄の自販機で認められないVISAカードを出すと、マダム
は店の奥からカード読み取り機を取り出して、慣れない手つきで
操作する。とても旧式のもので、カードが普通のフランスとは言えども、
かなり使われてない感が漂う。もちろん、マダムも方も、使い慣れてない感が
プンプン漂う。

そして、案の定・・・認識されない

悲しく点る、赤いランプ。とは~、またですか・・。

ああ、小さな町の肉屋さんでは、天下無敵(?)のセゾンカードを
認識してくれませんよ・・ 西武さん。今、社長さんは誰ですか?

遥か遠くにいる(はず)の西武の社長を思いながら、現金ないのに
どうしよう・・と途方にくれつつ、マダムのほうを見ると・・。

あれ? ま、マダム?カード、逆に挿してますよ。それじゃ、いくら
何でも読み取れませんよ?

当然、「逆」という単語が分からないので、私は手をぐるりと
上下に反転させて、カードを指差した。勘所のいいグラン・マダム (造語)が、
「反対にして、やってごらんってよ。」(←推測)と忠告。

 見事、認識!ハ・レ・ル・ヤ!喜ぶ4人。

 ちなみに、そこで買った自家製(たぶん)のハムは、パリのホテルに行き着く前に、
っていうか、カンペールの駅に着く前に(私が知らぬ間に)半分ほどなくなり、
カンペールからパリのTGVの間に、残りのワインと一緒に全て消えてしまった。

マダムが自慢するとおり、美味しいハムであった。

私のイメージする
ハムとは、遠いところにいらっしゃったハム様であった。
「作り方を聞けるくらい、フランス語ができたらなぁ」
その言葉、忘れるなよ、帰国しても、シェフよ!

(さて次回、またトラブルが発生しますが、この時点では幸せ満喫で続く)


【あとがき】

このときは、まだ燻製にしないハムの作り方を知らなかった私でしたが、
今では、シェフの熱烈豚肉研究のおかげで、あのときのマダムたちが説明
してくれたことがどんなことだったのか、少し想像がつくようになりました。
(でもまだ想像程度)
[PR]
by manmarunesan | 2010-03-06 21:33 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑭ それでも・・バスは・・来ない(涙)

【これまでのあらすじ】
ブルターニュの町、ドゥアルヌネの港から帰るバスが来ないことに
顔が青ざめる私とシェフ。

停留所のバス案内やら時刻表やらを見ているうちに、帰りのバスは、
港の停留場からではなく、ここから3キロくら先の、ドゥアルヌネの
市街地にある、旅行案内所前から出ることが発覚。慌てて、港から
市街地まで移動する私たち。

なんとか、14:20発のバスには間に合いそう。そして、
帰りのTGVにもギリギリ間に合いそうだ。一安心の私たち。

・・・なのに、14:30になっても、バスは、来ない・・・


【ここから日記↓】

 再度、よーく予定表アンド時刻表を眺めてみる。考えてみれば、
朝、駅前のバスオフィスのさっぱり美人は、帰りのバスについて、

12:40 旅行案内所発(←私たちが港で待っていたバス)(来ない)

のバスを第一候補として勧め、


14:40 旅行案内所発 (←私たちが今待っているバス)(来ない)

のバスは、勧めず、


16:30 港発・旅行案内所経由

のバスを第2候補として勧めたのだ。


なぜ、あのサッパリ美人は、今私が待っているバスを薦めず、
その前のバス(つまり、観光案内所発の、私が乗り過ごしたバス)か、
あるいはその次の、2時間後の4時半出発のバスを薦めたのだろうか。
彼女が薦めた2本のバスと、今私が待っているのに来ないバスとの
違いって、なんだろう???


 人間、真剣になると色々なものが見えてくるものである。

フランス語初歩の初歩レベルの私であったが、停留所にあった時刻表を
眺めていると、それぞれの単語の意味を思い出した。

「バスの日」という小さな欄が、まず時刻表の一番上にある。

そこに、彼女が薦めたバスはLMJVSという
大文字が書いてあり

、今私たちが待っているバスにはMeと書いてある。


ここに、バスが来ない秘密が隠されているようだ。



ポコポコポコポコ・・・・チ~ン


っわかったぁ~~~~~!!人間、真剣に考えれば分かるものである。

これは、「日」ではなく「曜日」を示しているのだ!

LMJVSは、

Lundi(月曜日)Mardi(火)Juedi(木)Vendredi(金)Samedi(土)の
頭文字で、

MeはMercrdi(水曜日)の頭二つの文字だ!
(おそらく同じMで始まる火曜日と区別するためであろう。)

で、今日は・・・火曜日Mardiじゃん。

Meじゃ、ないじゃん。つまり、水曜日にしか来ないバスを、私たち(と、同じく
バス停でそわそわしていた若者二人組)は、そわそわしながら待っていたのだ。


ガッデム(無心論者だけど。)



だから、すっきり美人はこのバスを薦めなかったのかぁぁ。

なぞは、解けた。

だが、ついでに、バスは4時半まで絶対に来ないことも、判明した。


 ど、どうしよう、チケット。このまま、2万4千円くらいはする、TGVの
帰りのチケットをみすみす無駄にするのであろうか・・・・。2万4千円あったら、
何が出来る?ペルシア語の大辞書も買えるし、パリでかなりいいレストランで
食事も出来るよ。

と、嘆いている間に、目の前の観光案内所が開いた。

職員が、長いランチから皆戻ってきたようである。気を取り直して、さっそく
秘儀「なんちゃってフランス語」の出番である。

「こんにちは、あの、国鉄の切符を変えたいんですが。」

「ああ、それなら、近くに国鉄のオフィスがあるので、変更できますよ。」

っな、なんですとぉぉぉぉ。だったら、何も「ラ・ガール通り」停留所
降りることもなかったじゃん。そして、あんなに落胆することもなかった
じゃん。

観光案内所のお姉さんにお礼を言って、鼻歌交じりで国鉄の事務所を
探す。歩いて・・10秒のところにあった。っていうか、さっきその前
に立って、シェフの提案(ゴーカートに乗りたい、とか、ポップコーンを買うとか)
を却下してた場所だった。

c0201282_18352310.jpg




オフィスを覗くと、やや頑固そうなおじさん
(私が想像する、ブルターニュ男子はこうでないと!)が、届いた手紙を整理している
ところだった。

さあ、頑張れ、私よ。シャルトルでしゃべったフランス語を繰り返せばいいのだよ。


「こんにちは。ここで、切符の変更はできますか?」

「うぃ。」

おじさんは、手紙の整理をやめることも、私たちを見ることもなく、一言で、答えた。

「この切符で、変更できますか?」

「うぃ」

「VISAカードは使えますか。」

「うぃ」

 そして、手紙の整理を終えると、おじさんは私たちの方を見て、

「今日でいいの?このあと?」

と、聞いてきた。

私は、バスの予定表を出して、自分が乗りたい時間16:30を指して

「ここ」といい、次にカンペール駅到着時間を指して、「カンペール」とだけ言った。

おじさんは、私が指し示した時間を自分の指で追う。

頑固そうな太い指が、印象的だ。ブルターニュの男、ここに、あり、だ。


いかにも慣れていないパソコンを、ブルターニュのムッシュは一本指で操作しながら画面を
にらめること、5分。ようやくおじさんは、時間を決定してくれた。

「ここを4時半にでて、カンペールには5時10分に着く。そして
5時半のこの電車に乗れば、9時半にはパリに着く。いい?」

「うぃ」

今度は私が一言だけ、答えた。頑固そうだが、親切なおじさんであった。
やっぱり、ブルターニュのムッシュは、私が想像するとおりであった。

そして、私は、16時37分発のチケットをおじさんに渡し、ほとんどお金をかけずに、
17時半発のTGVチケットをもらった。

さて、一安心。時間もあと2時間近くあるし。せっかくなので、
この街の観光でもしておくか。


私たちは、思いがけず、ドゥアルヌネの町探索にうきうきしながら出たので
あった。実は、このあともう一度、悲劇が訪れるのも知らずに・・。

(何も知らず
うきうき気分で続く)
[PR]
by manmarunesan | 2010-03-04 18:36 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑬ バスが・・・来ない・・・・

幸せで暢気な時間は、ゆっくりと過ぎて行った。帰りのバスは
13時ちょうどだから、まだ2時間近く時間があるから、港街を散歩
して、もう一度スーパーを見学して、それから軽くランチでも食べて帰りましょ!

c0201282_11431511.jpg



 ドゥアルヌネの港町は、シーズンオフでひっそりとしてはいたが、
そこに住む人々の生活音があちこちで聞こえ、ブルターニュの一風景に
彩をそえていた。

c0201282_1144037.jpg



海辺で遊ぶ犬もかわいいし。

c0201282_11445159.jpg



パン屋さんでは焼きたてパンの香りがただよってくるし。

c0201282_11453763.jpg



 その港で一番大きな(と、言ってもこちらのコンビニくらいの大きさ
だけれども)スーパーに入る。

c0201282_11471321.jpg



 昨日は空腹すぎて、お惣菜コーナーしか目に入らなかった私であった
が、今日はバスの中で軽くサンドイッチを食べ、朝市で牡蠣を食べたので、
スーパーをゆっくり回る余裕がある。でも、やっぱり最初にお惣菜コーナーに
行っちゃったけど。

 一列目のワインの棚からゆっくり眺めていく。ちなみに、シェフは
すでにお肉コーナーにへばりつきだ。お肉屋さんがソーセージを
詰めているのが興味深いらしい。 ウサギの肉や、ウズラの肉、その他
様々な肉が並んでいるショーケースを舐めるように眺めている。

c0201282_11482614.jpg



 2列目のお茶とお菓子の棚で、友人たちのお土産を買う。キャラメル味の
紅茶は、お茶が好きな友達にあげよう。木苺の入った紅茶は、 お茶文化圏の
イラン人の友人にあげよう。色々なフレーバーが入った紅茶は、かわいいものが
好きな後輩がリラックスタイムに飲むだろう。

 3列目の乾物・缶詰・調味料のコーナーで、とうとう私の買い物欲の火が
ついた。マギーやクノールの乾燥スープの元が、色とりどりに並んでいる。
クレソン、ポワローねぎ、アスパラガス、トマト・・日本ではお目にかかる
ことはめったにないスープの素は、ペルシア語教室(を、プリムールで定期的に
開催しているのだ)の生徒さんたちにあげよう。OL生活で忙しい皆さんは、
きっと、朝寝ぼけながらお湯に溶かして飲んでくれるだろう。棚の一番下、
端っこに、チュニジア製の「アリサ」を発見。アリサは、唐辛子をペースト状に
した調味料である。多分、クスクスなどと一緒に出てくる煮込み料理のお皿の
ふちなどにちょっと乗せて、味のアクセントをつけるのであろう。フランス語
教室(も、プリムールで定期的に開催しているのだ)の友人たちに、ぜひ、
プレゼントしよう。焼酎の好きな、あの夫婦にも。ゲラントの塩は、いつも
ランチを食べに来てくださる常連さんの社長さんに。

 おお、自分へのお土産は、これだ。ココナッツの芽の缶詰。初めて
食べたのは、誰かの結婚式でだったかな?それとも前にフランスに来た
ときだったかな?不思議な触感が、よみがえってきた。(たった今、
思い出したが、あれは初海外旅行のシンガポールエアの機内食で出た
のだ!)

 お土産を買うのは楽しい。これは誰に、あれは彼に、あの人は
きっとこれなら喜ぶに違いないし、これをもらったら彼女はきっと
少し困ってでも喜ぶだろう、とか。一人ひとりの顔を思い浮かべながら、
こまごましたものを、ガツンと買い物をする喜び。これは、旅行の醍醐味の
一つである。(どんなに重いものでも文句も言わずに持ってくれるシェフも
いることだし!)

 スーパーで買い物したあとも、街をふらふら。フラフラするほどの
広さではないけれど、スポットスポットの風景が素敵なのだ。

c0201282_1150499.jpg



c0201282_1231317.jpg





ランチは、地元で長年やっているような、味のあるレストランで。

c0201282_11535156.jpg



朝市で買った牡蠣と、スーパーで買ったワインがまだお腹に残っているので、
今回は、ビールと、メインのサーロインステーキで軽く(←もはや、私たちの
「満腹中枢」は完全に麻痺状態だぁ)済ませる。

12時50分には、朝方降りたバス停に到着。13時出発のバスには、
十分間に合いますね!




んが。




・・・んが、バスが来ない。朝、ここのバスに乗って来たときは、バスは
すでに出発の20分前には港に到着して、ここが終点だからそんままバス停
手前で待っていたのに。

おかしい。もう13時ですのにっ!


って、ちょっと、おい、待って!私は記憶の糸を手繰り寄せた。
そうだった、カンペールのバスの窓口のサッパリ美人が言ってたっけ。

「行きは、港まで行けば海が見れるわ。でも、帰りは、観光案内所前から出発よ。」

ガビビーン。なんと!13時発のバスは、終点のドゥアルヌネの港までは来ず、
ここよりも5キロくらい手前にある街の真ん中にある観光案内所で折り返し
運転であったのだぁぁぁ!

観光案内所・・あの、高台の、さらに先にあるんだよね・・。
車でも、20分近くは掛かったよね・・絶対、無理。間に合わない。

嗚呼~~~アタシの馬鹿馬鹿馬鹿~~~~~~~


 そう叫んでももう、ときすでに遅し。次のバスは2時20分。 カンペール到着は3時半。3時37分発のパリ行きの電車には、
間に合うか、どうか。
 ああ、こんなことなら、気を利かせて帰りのチケットなんて買って
おかなきゃよかったよ。(しかも、シェフの「帰りのチケットは、
帰りのときでいいんじゃない?」という忠告を無視して。)

 おや?しかし、このバス停留所の案内図によると、「ラ・ガール(駅)」って
いう名前が書いてあるじゃない?もしかして、国鉄の駅があるってこと?
だったら、せめて時間変更くらいはできる!目指せ、駅!しかも、
2時間に一本の市内バスが来たじゃない。チャンスッ。飛び乗れ~、シェフッ。

 そして、運転手さんが言うところの「ラ・ガール」(停留所いっこぶん)
で降ろしてもらった。

 ・・・・なにもないところですよ。市内の地図がありますが、駅らしき
ものなんぞ、書いてありません。そもそも、線路がないですよ?

んんん?何なに?ここの通りの名前、「ラ・ガール」なだけなワケ?

ラ・ガールとは、「駅」そのものを示しているんじゃなく、ただの『通りの
名前』なだけなわけ?

ちなみに、通りかかった老紳士に聞いてみました。ええ、必殺テキトー
フランス語で。

「ラ・ガールはどこですか?」

「ここじゃよ。」

がびびび~んっ。やっぱり・・。道路以外、何もない。道路の脇は畑と、反対
側に、港町が見下ろせるだけ。

c0201282_124915.jpg



 「ラ・ガール通り」から、観光案内所まで、軽く1キロはある。ま、
糖尿病患者のシェフにはいい運動になったから、良しとしようか! (何事も前向き)

 仕方なく、私たちはさらに1キロくらい先のドゥアルヌネ市街にある
観光案内所にとぼとぼと歩いた。お土産が、どしりと(シェフの)肩に
重くのしかかる(ようだ)。
 
 ようやくたどり着いたドゥアルヌネの観光案内所は、当たり前だが、
昼休みで2時まで 開かないらしい。切符の時間変更ができるか、聞きたかったのに。

 でも、まあ14時20分 のバスをここで待つことにしよう。

停留所の近くでは、小さな広場があり、ちょっとした臨時遊園地になっていた。


c0201282_1159264.jpg



「オレ、あれに乗りたい」

シェフが指差す方を見ると、子供専用ゴーカート。もちろん、無視することで
却下を示す。


するとシェフは、屋台のほうに向かう。

c0201282_1204286.jpg




「オレ、ポップコーン食べてもいいかな?」

勿論、これも無視することで、却下と同時に、私が少しイライラしていることも
表現。


・・こんなひなびた街じゃ、旅行代理店もないだろうしなあ。ぎりぎり、
2時代のバスにのって、バリバリ走ってもらって時間差3分で乗り換え
るしか、手段はないか・・。


・・・しかし、またしてもバスは来ない。時刻表にはきちんと、14:20と書いて
あるのに。もう、2時半だよ。なぜ来ない?同じバスを待っているで
あろう若い娘さん二人組みも、心配そうに時刻表を眺めている。

 そして私たちはここで再び、おそろしい事実を知ることになるのだ。

(ヒヤヒヤしながらつづく)
[PR]
by manmarunesan | 2010-03-02 12:01 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑫ ドゥアルヌネの朝市

ブルターニュのドゥアルヌネの駐車場に集まったトラックが
次々と朝市の屋台へと変身する。

 あるトラックは、新鮮な野菜を並べる。

c0201282_15253175.jpg



 彩りが、とても素敵なフランスの野菜。

c0201282_15262077.jpg



c0201282_15264924.jpg




 朝市の魚屋さんに並ぶ魚は、さすがに大西洋沿岸の町だけあって、
あらゆる種類の魚がある。鯛・あんこう・サーモン・舌平目・鱒・・・

c0201282_15273091.jpg

c0201282_15275861.jpg

c0201282_15284098.jpg

c0201282_15291653.jpg
c0201282_15294214.jpg
c0201282_1530321.jpg
c0201282_15303647.jpg
c0201282_1531639.jpg
c0201282_15315679.jpg



 お魚ばかりでなく、ムール貝、海老、カニ、そして、自家製スープ・ド・ポワッソンまで。

c0201282_15323189.jpg
c0201282_15325143.jpg
c0201282_15331148.jpg
c0201282_15334880.jpg


すると、驚いたことに
ほとんどの魚のフランス語名を、シェフは知っていた。


c0201282_15351874.jpg



見よ、この真剣な眼差し!

そのシェフの視線に先には・・・

c0201282_15362445.jpg



「牡蠣、ここで食べようか、夕べのリベンジに。」

え?昨日あんなに具合が悪そうだったのに?
すっかりシェフは元気を取り戻したようである。心は牡蠣モード。

そう、具合の悪いシェフを引っ張って無理やりレストランに入り、そこで
食べた生牡蠣(に、限らず全ての料理)が、「外れ」だったのだ。

「すみません、あなた、これをオープンすることはできますか?」

と、秘儀カタコトフランス語で、魚屋のムッシューに尋ねてみる。

c0201282_15432022.jpg



「ノン。×××が、ないの。」
「×××(←聞き取れない)って?」

すると、スキンヘッドだけど人懐こい顔の青年が、ナイフを持って
開ける格好をして、「ノン」と続けた。なるほど、×××って、ナイフのことね。

「ナイフが、ないんだって。」

「じゃあ、買ってくるか、どこかで。」

港散策も兼ねて、辺りを歩くことにする。ひとまず、朝市よさらば。
閑散としたお土産屋さんの間に、地元スーパー発見。そこだけが、
人々の活気を微かに放っているようである。

とりあえず、普通の果物ナイフを買ってみる。

お、こんなところに白ワインのミニボトル4本セットも ありますよ。
シードルを飲むのに、ちょっと洒落た紙コップも売ってるし!
ノン・ブロブロムだね。(まだ午前中、ということ以外。)

 さっそく朝市に戻って、牡蠣を半キロ購入。最初、一キロくらいは
買わないと失礼かと思ったが、シェフが止めるのでやめた。半キロで
小さな牡蠣が7つ。よかった、一キロにしないで。

c0201282_15441157.jpg



大人気の移動式魚屋さんなのだ。お金を払って、私たちは入り江に向かった。


c0201282_15451893.jpg




 そして、海に向くベンチに腰掛けて、夕べのリベンジ。入り江なので
波もさほど高くなく、風も穏やかだ。ビバ、暖冬。多分気温も10度以上はある。

c0201282_15463595.jpg



 
 そしてそして、ただの果物ナイフなのに、巧みに牡蠣を開けるシェフ。

c0201282_15474894.jpg



周りにいたフランス人には、「ちょっと何なのこと人たち」みたいな注目を
浴びたけど、いいの、牡蠣、美味しいし。ワインにも、合うし。午前中だけど。

はあ、来てよかった、ドゥアルヌネ。幸せな、午前中だよ~~~。


 (しかし、この幸せで暢気な時間のあとには、この旅行最大の危機が訪れるのであるが。)

(なにもしらないまま、続く)
[PR]
by manmarunesan | 2010-02-28 15:50 | 旅のおもひで

フランス珍道中⑪ 大西洋を見に行こう!

 カンペールの雨は、シェフをすっかり参らせてしまった。お勧めの
ホテルに着いたときにはちょっと熱まで出てしまい、とにかく
暖を取って寝かさないと・・・って、ホテル寒っ。暖房、入らないっ。

二人で震えながら、遅めの昼食。くぅ~、冷えた身体にシードルが
凍みますなぁ、とか言いながら。

シェフ、食欲低下。これもヤバイ。とにかく、寝かせて体力を
回復させないと。

 夜が更けるにつれ、雨脚は強くなるばかり。途中、空腹で目が
さめたシェフと、近所のレストランに。

 が、残念ながらここのレストランが大はずれ。シェフ、最後の
力を振り絞って行ったレストランが大はずれだったことに、
心身ともにノックアウト。

 とにかく、寝ましょう、シェフ。体力を取り戻してくださいな。

 雨の音がしだいに強くなるのを聞きながら、それでも寝息を立てて
眠るシェフの体力が戻りますように、と、天に祈る私。


・・・・・・・・・・・・・・・・



 朝になって駅前に人々が集まり始めた頃には、雨もすっかり止んだ。

ハレバレと目が覚めた私は、まだ寝ているシェフを残して、一人で朝食を食べにいく。
超エコノミーなこの宿にはレストランは付いていないので、となりのカフェに入る。

 すると、フランスに来て初めて、人々から注目される。珍しいのだろうか。
東洋人の娘(と、思われていると思われたい)が一人で朝早くカフェに
来るのは。(そう、かなり珍しい。)


 大き目のカップになみなみと注がれたカフェ・オ・レをすすりながら、
私は今日の予定について考える。あたりは、ようやく夜が明けてきて、人々が
動き始めたところだ。もう、8時なんだけど。冬のフランスの朝は、
想像以上に遅い。

 クロワッサンをちぎりながら、シェフの具合が良くないなら、このまま
大西洋は諦めてすぐにパリに帰り、もし具合がよくなったら、どこに行こうか。

 カンペールは雰囲気のある街だが、
地形的には少し入り込んでいるので海そのものは見えない。

 そうだよね!私たちは大西洋を見に来たんだから、やっぱり海に行かないと!


 とはいえ、さすがにここまで末端の町まで来てしまうと、ガイドブック
には詳しいことが載っておらず。誰に相談すればいいのだろう・・。
 

 そうだ!餅は餅屋!じゃん!

 そそくさとパンとカフェ・オレを口に放り込むと、私は国鉄駅の隣に
あった長距離バスの切符売り場に出かけた。必殺、てきとーフランス語
の出番である。

 窓口にいくと、さっぱりすっきりした感じのお姉さんと、その取り巻き
であろうおじさんたちがタムロしていた。(その取り巻きたちは、あとで
出発を控えた運転手さんたちだと判明するのだが。)

「あのーすみません、わたし、海をみたいのです」

 え?何いってんの、こいつ、チケットを買いに来たんじゃないのか?
とりまきおじさんたちが一斉にザワザワする。「ラ・メール、とか言ってるぞ。」

 窓口のサッパリ美人は、あらためて身を乗り出し、次に私が何を言うのか、
待ち構えた。

「えっと・・海に行きたい、でも、わからない、海がどこか。」

 ああ、せめて、shouldを意味するフランス語も習っておくべきだった。
そしたら、もう少しマトモな表現ができたのに。

 しかし、こんな幼稚なフランス語でも、サッパリ美人には通じたようだ。

彼女は、ある路線のスケジュール表を取り出し、地図でその場所を示しながら、
こういった。

c0201282_2365793.gif



「ほら、この、douarnenezなら、9時10分に出発して、10時前には港に到着するでしょ。
で、え~っと、この、1時ちょうどにこの街の観光案内所の前からバスが出るから、
そしたらここに2時にはここに、戻ってこれるわ。」

「じゃあ、そこに行きます。チケットは、ここで買えるのですか?」

(買えるであろう、私よ。なぜならここはチケット売り場だ。)

 とはいえ、シェフの具合次第だから、今はまだ買わない。なんちゃってフランス語で、

「また、ここ、来る。二人で、たぶん」(ほとんど単語を並べただけ)

でも、さっぱりすっきり美人は、何とか私の言いたいことが分かったようだ。

「ええ、二人?じゃあ、4ユーロ(700円くらいか)よ。いい、切符買ったら、
NO.2の乗り場で待っててね。」

「ありがとう。」

 するとさっぱり美人は、私に素敵なウィンクを送った。う~ん、
朝からテンションあがるなあ。

 私は小走りでシェフの様子を見に、ホテルに帰った。え?大丈夫そう?
じゃあ、さっさと、出発するよ!

 いつまでも寝床でゴロゴロしているシェフを起こして、出発の準備
(っていっても、靴を履くだけだけど)をさせて、駅に向かう。まずは、
帰りのチケットを買っておかないと。

 帰りのチケットは、カンペール2時半発、パリ・モンパルナス駅に7時着。
もっとゆっくりしてもいいんだけど、まあ、いいか。一日に7本くらいしか
ないもんね。

 そして、いざ、バス乗り場に!さきほどの美人から切符を買い、
彼女の指示通り、NO.2の乗り場でしばし待つ。シェフに、フランスパンに
ハムを挟んだものとコーヒーを買って乗り場に行くと、ちょうどバスが。
さあさあ、乗り込んで出発!

 運転手さんは、弱冠20歳くらいの青年。ギアチェンジで加速するのが苦手なようだ。
細くて人の多い旧市街の道を抜け、ようやくブイブイ加速していく。

めざすは、ドゥアルヌネの港町

(ちなみに、正確なドゥアルヌネのカタカナ表記を知ったのは、
帰国して、ネットで調べてからだ。このときは、『ドで始まる町』とだけ
呼んでいた。)

 ブルターニュの空は低い。雲が何層にも掛かって、太陽の光を屈折
させながら大地に届けている。不思議な雲の動きと、若緑の畑と、薄い
黄色の花をつけた畑(シェフはそばだと主張。違うと思うが)と、牛と
ところどころの住宅街を抜けて、あがってさがって、くねくね曲がって、


きゃ~、海が見えるようぅぅぅ~~~


c0201282_236922.jpg




小一時間ほどで、到着した!

c0201282_22573327.jpg



ドゥアルヌネ!バスが到着した大きな駐車場と、ボートだまりは、多分バカンス
のときは大勢の人でにぎわうのであろうことを示していた。

c0201282_22594932.jpg



そして、遠くにトラックが数台、停まっている。え?もしかして??

c0201282_235814.jpg



キャー、朝市である!野菜を売るトラックと、魚を売るトラックが、
ずらりと並び、地元のオバサンおじさんたちがかわいい買い物籠を持って
並んで物を吟味している。


 そして、シェフもすっかり元気を取り戻し、私たちは小走りで朝市に
向かった。(続く)
[PR]
by manmarunesan | 2010-02-27 23:07 | 旅のおもひで



とあるビストロの幸せほおばり日記
カテゴリ
全体
新メニュー登場!
ランチのこと
ディナーのこと
デザートのこと
無口なシェフですが・・
旅のおもひで
プリムールとゆかいな仲間たち
プリムールの日常
飲み物、主にお酒のこと
ビストロだけどパスタ
築地
気まぐれシェフのコース
プリムールの休日
キッシュ&タルト SEKI
未分類
以前の記事
お気に入りブログ
ライフログ
タグ
その他のジャンル
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧