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毎日が幸せ食堂 ~シェフにナイショでブログ始めました~

正統派でも亜流でも

「フランスでは、カタツムリを食べるんだよ」

と、誰かに教わったのはいつのころだったでしょう。おそらく、
まだ英語すらも離せない子供の頃だったように思います。

以来しばらく、幼少のまんまるは、あの透明の糸を引きながら剣呑な感じで移動する
カタツムリを見ては、オエっとなったものです。ま、子供の頃の無知ゆえのオエなので
ご容赦ください。


で、初めてエスカルゴを食べたのは、まんまる花の女子大生(←死語)の
夏休みのフランス旅行で、で、ありましたよ。

忘れもしない、南フランスの海岸の本当に崖っぷちにあるような小さな
町のレストランで、でした。

最初に見た時の正直な感想は、

「え?たったこれだけ?」

でした。丸くて平たい小さな土鍋に、たこ焼き用の穴くらいの穴が6,7個、
そこに、緑色のぐつぐつ言う液体の中にちっこくて黒くて丸まったものが
一つずつ収まっていました。


あの、剣呑な得体のしれないのっぺりしたカタツムリのとは似ても似つかず。
というよりも、緑色のぐつぐついう液体からは、本当に魅力的なにんにくの香りが
プンプン漂い、観念的なキモチ悪さよりも、臭覚が刺激されたことによる食欲が
勝りました。

パクリ、と、食べると。確かに、エスカルゴを食べたことがある人なら
誰しも言うところの「貝みたいな味」でした。


でも、海に囲まれた日本人のまんまるにとっては、エスカルゴの噛み応えの無さに
ちょっとガッカリしたものでした。これが、日本の貝だったら、さぞかしうまかろう、と。


で、その願いは今、プリムールで叶うのでアリマス。


ツブ貝のエスカルゴ風

北海道産のツブガイをボイルして、それをエシャロットのみじん切りのよーく
炒めたヤツと白ワインで固くならない程度に煮込みます。あとは、自然に味が
沁み込むのを待つだけ。

オーダーが入ると、そのツブガイに、エスカルゴソース(つまりは、
あのぐつぐつと言ってた緑色の液体ですが・・・バターとニンニクと
パセリをミキサーで混ぜたもの)をたっぷり乗せて、オーブンでぐつぐつと。

正統派でも亜流でも_c0201282_0133844.jpg


ツブガイのネットリした触感と、プリッとした噛み応えが、「これぞ日本の
(なんちゃって)ビストロならでは!」と膝を叩かずにはいられません。

これもキリリと冷えた白ワインと、焼きたてのフランスパンとで食べたいもの
ですな~。


あ、でもちゃんと正統派のエスカルゴもご用意してますよ。もちろん
エスカルゴはフランス産です。

正統派でも亜流でも_c0201282_0111644.jpg


以前、原価が安いから、と、インドネシア産のエスカルゴを試したことが
あったのですが、グチャっとしてて美味しくなかったので、やはりちょっと
お値段は張りますが、やっぱりフランス産エスカルゴをお出ししています。

もちろん、こちらは土鍋もエスカルゴ用ですので、パッと見、
「え?これだけ?」
と思われるかも知れませんが、ま、これが正統派ですので☆えへ
by manmarunesan | 2010-10-11 00:13 | ディナーのこと
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とあるビストロの幸せほおばり日記

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